導入
いま、柏レイソルサポーター、そして大学サッカーファンの間で熱い視線を集めている選手がいます。
東洋大学4年、山之内佑成選手(JFAアカデミー福島/ふたば未来学園出身)。
昨年6月に柏レイソルへの加入が内定して以来、この1年半での彼の成長曲線は凄まじいものがあります。
大学チームの「キャプテン」としての重責を背負いながら、プロの舞台では「即戦力」として活躍する。
今回は、二つの重要な役割を全うしながら進化を続ける若きリーダー、山之内佑成選手の現在地と、その魅力に迫ります。
プロの舞台での衝撃:不慣れなポジションで見せた「適性」
山之内選手は現在、東洋大学に在籍しながら「JFA・Jリーグ特別指定選手」として柏レイソルでプレーしています。
彼がプロのピッチで評価を高めたきっかけは、チームの緊急事態でした。
秋にレイソルで怪我人が続出した際、練習に参加した彼はリカルド・ロドリゲス監督の信頼を即座に勝ち取ります。
特筆すべきは、その「戦術的柔軟性」です。
大学では「4-4-2の左サイドバック」を主戦場としていますが、レイソルで任されたのは「3-4-2-1の右ウイングバック**」。
慣れないポジション、しかも左右が異なる配置にも関わらず、彼はスムーズにフィットしました。
東洋大の井上監督も「攻撃能力は武器であり、右ウイングバックの適性がある」と太鼓判を押すほどの順応性を見せています。
「人生一番の悔しさ」を糧に
しかし、プロの世界は甘くありませんでした。 先発出場を果たしたYBCルヴァンカップ決勝(対サンフレッチェ広島戦)。6万人以上が詰めかけた国立競技場の圧倒的な雰囲気に飲まれ、彼は自分のプレーを出し切ることができませんでした。
結果は1-3の敗戦。
「人生一番の悔しさ」「まだまだ力が足りない」 この大舞台での痛烈な経験が、若きDFの心に「強くなりたい」という強烈な炎を灯すことになります。
大学でのリーダーシップ:苦悩を乗り越えた主将として
プロでの悔しさを胸に、山之内選手は大学サッカーという「もう一つの戦場」へ戻りました。彼が選んだのは、これまでのサッカー人生で一度も経験のなかった「キャプテン」という役割でした。
「一人の人間としても成長したい」 そう志願して主将になった彼を待っていたのは、怪我による長期離脱とチームの残留争いという試練でした。
劇的な「恩返し弾」と残留確定
シーズン前半、右足首と右ハムストリングの故障で半年近くピッチを離れた山之内選手。しかし、復帰戦となった6月の天皇杯2回戦でドラマが生まれます。
相手はなんと、内定先の柏レイソル。
延長戦までもつれ込んだ激闘の末、値千金の先制ゴールを決めて大金星の立役者となったのは、他ならぬ山之内選手でした。
そして11月、ルヴァン杯決勝直後で心身ともにタフな状況の中、彼は大学リーグ1部残留をかけた決戦に合流。最終節の中央大学戦に見事3-1で勝利し、入れ替え戦回避と1部残留を決めました。 「やっと重圧から解放された」と安堵の笑みを浮かべたその表情には、主将としての責任感の強さが滲み出ていました。
9月の総理大臣杯では全試合キャプテンマークを巻いて初制覇に貢献するなど、彼は確かに東洋大学の歴史に名を刻むリーダーへと成長したのです。
2025年シーズン、戦いはまだ終わらない
東洋大学のリーグ戦は終了しましたが、山之内選手の2025年シーズンはクライマックスを迎えています。
- 柏レイソルでの戦い: 佳境を迎えるJ1リーグ優勝争いに貢献するため、再びレイソルに合流。プロの強度とスピードの中で、タイトル奪取の力となることが期待されています。
- 大学最後のタイトル: 12月13日から始まる全日本大学選手権(インカレ)。
東洋大学としては初の「インカレ2連覇」という偉業に挑みます。
レイソルで実感したという「タイトルに懸ける気持ち、目の前の勝利を目指す思いの強さ」。
プロと大学、二つの世界を行き来して得た強靭なメンタリティを持つ山之内佑成選手。
彼がピッチで見せる熱いプレーから、今後も目が離せません!
