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【ACLエリート2026/27 プレビュー】全北現代モータース徹底分析 — 柏レイソル戦(9.16全州)に向けて知っておきたいメンバー・フォーメーション・注意点

9月16日(水)19:00、柏レイソルは2018年以来となるACLの舞台、敵地・全州ワールドカップスタジアムで全北現代モータースと対戦する(柏レイソル公式)。

相手は2025年のKリーグ1とコリアカップを制覇した「ダブル王者」でありながら、今季は韓国メディアに「ダブルの全北はどこへ行った」と問われる変調を見せているチーム。
前任のグス・ポイェトから鄭正溶(チョン・ジョンヨン)監督への交代1年目、その現在形を、韓国メディアの評論も交えて徹底整理する。

目次

1. 対戦カードと大会フォーマットのおさらい

AFCチャンピオンズリーグエリート 2026/27は今大会から本戦が24クラブから32クラブに拡大
東西それぞれ16クラブが1つのリーグを形成し、各クラブ8試合を戦って上位8クラブがラウンド16へ進出する。
優勝チームにはFIFAインターコンチネンタルカップ2027とFIFAクラブワールドカップ2029への出場権が与えられる。

両チームのポジショニングは以下の通り。

全北現代モータース柏レイソル
出場資格2025年Kリーグ1優勝2025年J1リーグ2位
ACL出場17回目(前回2023/24)5回目(前回2018)
抽選ポットポット1ポット3

全北は東地区・韓国勢では最多となる17回目の出場を誇る、アジアサッカーを代表するビッグクラブだ(ACL優勝歴も2006年・2016年の2回がある)。一方の柏にとっては8年ぶりの本戦帰還。その初戦がいきなり敵地全州での王者相手という好対照だ。

2. 全北のリーグステージ日程 — 日本勢とホーム2・アウェイ2

8月18日の抽選で全北は東地区G列に入り、リーグステージ8試合の相手が確定した(抽選グリッド)。

  • ホーム:柏レイソル(9/16)、ガンバ大阪、上海海港、ジョホール・ダルル・タクジム
  • アウェイ:鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸、北京国安、京都サンガF.C.

つまり全北は日本勢5クラブ(柏・G大阪・鹿島・神戸・京都)と対戦する。韓国勢同士の対戦はない。日本のファンにとっては「韓国ビッグクラブの現在形」を知る機会が短期間に集中することになる。

参考までに柏のリーグステージ全日程(柏レイソル公式)は以下の通り。

日程カード会場
MD12026/9/16(水)19:00vs 全北現代(A)全州ワールドカップスタジアム
MD210/14(水)19:00vs ポートFC(H)柏サッカースタジアム
MD310/27(火)21:15vs ラーチャブリー(A)ラーチャブリー・スタジアム
MD411/3(火・祝)19:00vs 大田ハナシチズン(H)柏サッカースタジアム
MD511/24(火)16:45vs ニューカッスル・ジェッツ(A)ニューカッスル・スタジアム
MD612/1(火)19:00vs コンアン・ハノイ(H)柏サッカースタジアム
MD72027/2/10(水)19:00vs ブリーラム(H)柏サッカースタジアム
MD82027/2/16(火)19:00vs 浦項スティーラーズ(A)浦項スティールヤード

3. 監督・鄭正溶という人物

2025年12月に就任した鄭正溶(チョン・ジョンヨン)監督は、クラブ史上10代目の指揮官(K League United)。

  • 金泉尚武(キムチョン・サンム)を率いてKリーグ2優勝・昇格(2023)、その後Kリーグ1でクラブ史上初となるファイナルA(上位リーグ)2年連続進出(2024・2025)
  • 2019年FIFA U-20ワールドカップで韓国史上初となるFIFA主催大会の決勝進出(準優勝)を指揮
  • 運動生理学の博士号を持つ「学究型・成長型」指導者として知られる

前任のグス・ポイェト監督は2025年のダブル達成にもかかわらず同年12月に突如退任した。長年パートナーだった助監督マウリシオ・タリッコが審判をめぐる人種差別騒動で辞任したことに端を発し、コーチ体制の亀裂やリーグの裁定姿勢との「違い」が背景と報じられている(Wikipedia 2026 Jeonbuk season)。クラブは2026年を「革新と成長2.0」の初年度と位置づけ、「ポイェトが作った土台に鄭監督がディテールを足す」役回りを期待しての就任だ。

4. 今季の調子:「ダブルの全北はどこへ」

ところが今季のKリーグ1では、鄭正溶の全北は想定以上に苦しんでいる。

  • 7月11日、蔚山との「ヒョンデ対決」をアウェイで3-1制して2位に浮上したところまでは順調に見えた(連合ニュース
  • しかし8月22日時点で23試合9勝7分7敗・勝点34の4位。首位FCソウルとは13点差に離され、コリアカップ16強ではK3リーグの唐津市民クラブにPK戦(3-5)で敗退(新聞ピム
  • 韓国メディアは「ダブルを達成した全北はどこへ行ったのか……鄭正溶サッカーが全州で苦悶している」と報じる事態に(新聞ピム
  • 8月下旬時点では4試合連続で失点しクリーンシートを記録できていなかったが、9月に入り蔚山戦・浦項戦を完封で連勝するなど守備は上向きつつある(ナムウィキ、Daumニュース)
  • 【9/13追記】ACL直前最後の公式戦となった9月12日のFCソウル戦(ホーム・全州)は1-2で敗戦。ブルーノ・モッタが前半に同点弾を決め意地を見せたが、後半アディショナルタイムに決勝点を許した。この結果、単独首位のFCソウルは29試合19勝5分5敗・勝点62で2位蔚山HDに勝点15差の独走態勢に。全北は「ホームで首位に競り負けてACL入り」という厳しい状態で柏戦を迎える(MKスポーツ)。

【9/13追記】なお「柏は間延びしたペース」という前提はすでに古くなっている。秋春制に移行したJ1で開幕4連勝を飾り首位に浮上した柏だが、その後C大阪・横浜FMに連敗。しかし9月11日の京都戦を3-2で逆転勝利し、7試合消化・5勝2敗・勝点15の3位(1位FC町田、2位神戸)でV字回復中だ。つまり9/16は「調子を落とした王者・全北」対「勢いを取り戻した3位・柏」という構図で迎える一戦になる(football channel)。

5. フォーメーションと基本システム — 理想と現実のギャップ

基本システムは4-2-3-1。8月25日の金泉戦の先発では、GKソン・ボムグン、4バックにチェ・ウジン、パク・ジス、チョ・ウィジェ、キム・テヒョン、2ボランチにキム・ジンギュとメン・ソンウンが入った。最前線のブルーノ・モッタをイタロ、カン・サンユン、イ・ドンジュンの3人が後方から支える布陣で、この試合で李昇祐(イ・スンウ)はベンチスタートだった(スポーツ朝鮮経由・Daumニュース)。

理想とされているサッカー

鄭監督が掲げるのは「効率的なビルドアップ」と素早い攻撃展開だ。
フォアバックを基盤に後方からボールを回し、フルバックを積極的に前進させてサイドで数的優位を作る。
金泉時代と同様、活動量とプレスでボールを奪って素早く相手陣地へ運ぶサッカーも追求している(新聞ピム)。

現実に起きていること

韓国メディアの分析が指摘するのは、理想との乖離だ。

  • 後方でのボール保有時間は増えたものの、相手プレスを破って前進する速度が足りない。センターバックとボランチがボールを回している間に相手守備陣が整い、結局サイドに流してクロスを上げるか、個の突破に頼る展開が繰り返される
  • システムは4-4-2、4-2-3-1、4-5-1と往還し、最前線のコンビネーションを試行錯誤中。アイデンティティが固まっていない
  • シュート数はリーグ1位クラスまで放っているのに決定力が伴わず、「攻撃を続けても点が取れない→バランスが崩れる→カウンターを食う」の悪循環に陥っている
  • 鄭監督自身が試合後、「最も解けない問題は後方からのビルドアップで、ミスが起きている」と認言

(いずれも新聞ピム

ナムウィキの戦術解説ページも「実利寄りのサッカー」「4-2-3-1」「テンポの遅いU字型のビルドアップ」「単調なクロス中心の攻撃」と整理しており(나무위키 정정용호)、この見立てと一致する。

6. 主要メンバーと注目選手

2026年8月末の実戦先発や公式記録をもとに整理した。【9/13追記】8月末には蔚山戦で肩を脱臼し相手監督と接触する騒動もあった李昇祐だが、その後は順調に回復。9月5日の浦項戦(2-0)ではすでに先発復帰し1ゴール1アシストと結果を残しており、柏戦への出場は濃厚とみられる。むしろ日本側としては、このエースをいかに封じ込めるかが最大の焦点になりそうだ(スターニュース)。

選手No.ポジションメモ
ソン・ボムグンソン・ボムグン31GK元湘南ベルマーレ。日本のファンにも馴染みのある正GK
パク・ジスパク・ジス5DF武漢三鎮から今季新加入の大型CB
チョ・ウィジェチョ・ウィジェ4DF釜山IParkから今季加入
キム・テファンキム・テファン23DF元蔚山の37歳ベテラン
キム・ジンギュキム・ジンギュ97MF中盤の核。チーム内でも高評価(推定市場価値120万ユーロ)
メン・ソンウンメン・ソンウン6MF金泉尚武時代から鄭監督下で活躍するボランチ
ブルーノ・モッタブルーノ・モッタ99FWFC安養からレンタル加入。8月末時点で先発の軸を担うFW
イタロ95FWブラジル・チャペコエンセから今季加入
カン・サンユンカン・サンユン13MF若手中盤
イ・ドンジュンイ・ドンジュン7FW3得点でチーム内得点ランク2位
李昇祐(イ・スンウ)李昇祐(イ・スンウ)10MF/FWチーム最多8得点。元バルセロナ育ちのエース。直近は肩の負傷と騒動でベンチだった試合も
アンドレア・コンパーニョアンドレア・コンパーニョ96FW元天津津門虎。チーム最高の推定市場価値(200万ユーロ)
ティアゴ・オロボティアゴ・オロボ9FW元大田ハナシチズン(MD4で柏と対戦する相手の元エース)
パトリック・トゥマシパトリック・トゥマシ21FWガーナ出身。層を厚くする3人目の外国人FW

得点力の内訳が示す通り、現在全北の攻撃は李昇祐の個人技に依存する側面が強く、そこをどう封じるか、あるいは出場できるかどうか自体が第一の読み筋になる。市場価値データはTransfermarkt参照。

7. 日本のクラブが気を付けるべきこと6つ

ここまでを踏まえ、柏をはじめ日本勢が対全北で警戒すべきポイントをまとめる。

① サイド→クロスの定型攻撃は「数」で迎撃する。 現在の全北はセンタリング頼みの単調な攻撃が目立ち、クロスボールの量は多い。中央に厚く入り競り勝つ準備と、クリアされた後のセカンドボール処理が基本ラインになる。逆にサイド攻撃のためにフルバックが前進する構造なので、奪った後の余白を突くカウンターの芽もある。

② 後方ビルドアップは今季最大の「付け根の弱さ」。 監督自身が認める通り、後方からの組み立てでミスが増えている。相手が攻める形を整える前に縦へ速く運ぶ精度が落ちている時期なので、フォワードからの激しいプレスは有効打になり得る。ただし8月下旬に見られた4試合連続失点は9月の蔚山・浦項戦の完封で一旦解消されており、直近の守備の調子は要チェックだ。

③ 個の能力を安易に一対一で迎えない。 シュート数リーグ上位の相手には、セット場面や個の突破で忽然と決定が生まれる。特に李昇祐の出場有無とコンディションは第一のチェックポイントで、モッタ・イタロ・イ・ドンジュンの2列目〜最前線の回り込みも我慢比べになる。

④ 「調子の悪い王者」こそ危険。 国内で批判を浴びる全北にとって、ACLは反証を積む絶好の舞台であり、鄭監督にとっても立場を支える大会だ。力を温存する理由がなく、柏戦は全力布陣を想定すべきだろう(筆者の見立てを含む)。

⑤ 日程の非対称を読む。 Kリーグ1は28試合消化で選手の試合感覚は十分だが負荷も大きい。J1が始まったばかりの柏は「試合勘」で劣る可能性を、ローテーションと準備の設計で補いたい。

⑥ 敵地・全州の環境。 韓国でも屈指の熱狂的なサポーターを抱える本拠地であり、アジアの舞台でのアウェイ戦術(先制後の落とし方、対空・対戦闘的な場面での意識合わせ)は普段のJ1以上に重要になる。

8. 過去の柏×全北対戦成績

日本ファンにはおなじみの歴史もある。日本サッカー協会の大会前資料によれば、柏はACLで全北に対し2018年までに7戦5勝1分1敗(唯一の敗戦が同年2月のアウェイ戦=対全北初黒星)と圧倒的に勝ち越していた。しかし2018年大会のグループステージではホームでも0-2で敗れ、韓国メディアは「柏恐怖症に打ち勝った」と報じた。直近の対戦はこの2018年で、今回が約8年ぶりの再戦。当時を知る選手はほぼ残っておらず、歴史はあくまで話のタネ程度にとどまるだろう。

まとめ

  • 全北現代は2025年のKリーグ1・コリアカップ2冠のダブル王者で、ACL出場17回を誇るアジアの名門
  • 今季は鄭正溶監督体制1年目で苦戦中。8月下旬時点でリーグ4位、コリアカップ敗退と「ダブルの全北はどこへ」が韓国メディアの共通認識
  • システムは4-2-3-1が基本だが、4-4-2/4-5-1へのスイッチも含め模索が続く。後方ビルドアップのミスとクロス依存が構造的な弱点
  • 一方で李昇祐(8得点)を筆頭に個の力と層はリーグ屈指。柏は初戦で「調子の悪い王者」の全力を、敵地全州で受ける
  • 全北はリーグステージで日本勢5クラブ(柏・G大阪・鹿島・神戸・京都)と対戦。柏戦(9/16)はその初手

【9/13追記】ACLエリート2026/27はDAZN独占配信で、地上波・BS放送はなし。柏×全北戦は日本時間9月16日(水)19:00キックオフ(全州ワールドカップ競技場)で、DAZNに登録していればスマホ・PC・テレビから視聴できる。配信・放送の詳細はJリーグ公式のACLエリートページと柏レイソル公式でも確認しよう。

試合当日は、DAZNでキックオフから全北の出方をリアルタイムでチェックしながら観戦するのがおすすめだ。

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この記事を書いた人

スポーツ全般が好きですが、
特に野球、サッカーが好きです。

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