ACL Two 2026/27に臨むFC町田ゼルビア。
ACL独自の選手登録ルールを整理しながら、誰がアジアの舞台に登録されるのかを考えてみます。
※クラブからACLの登録メンバーは正式に公表されていません。本稿の予想部分は2026年9月9日時点、試合メンバーからの検証部分は2026年10月18日時点で確認した情報に基づきます。
FC町田ゼルビアは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)Two 2026/27への出場権を獲得しました。黒田剛監督のもと、クラブにとって大きな挑戦となるアジアの舞台が始まっています。
なお、選手登録のルールはACL EliteとACL Twoで共通です。この記事ではそのルールを整理したうえで、町田の登録メンバーを予想します。ACL Eliteに出ている柏レイソルと鹿島アントラーズの登録メンバー予想もあわせてどうぞ。
1. ACLの選手登録ルール ― ホームグロウンが6人に満たないと枠が減る
ACLでは、Jリーグの登録選手をそのまま持っていくことはできません。ポイントは次の4つです。
- 1クラブ35名以内:「リストA(25名以内)」+「リストB(10名以内)」
- リストA:年齢制限なし。最低6枠はホームグロウン選手専用。ただしその6枠に置ける協会育成選手は最大3名まで
- リストB:2005年1月1日以降生まれの選手のみ(10名以内)
- 試合エントリーは18名以上23名以内(外国籍選手の人数制限はなし)
ホームグロウンは「クラブ育成選手」と「所属協会育成選手」に分かれます。
- クラブ育成選手:15歳になるシーズンから21歳になるシーズンの間に、そのクラブに通算36カ月以上登録された選手
- 所属協会育成選手:同じ期間に、所属協会(日本ならJFA)加盟クラブに通算36カ月以上登録された選手
日本人選手が中心のJクラブなら「所属協会育成選手」はほぼ自動的に満たせます。問題は「クラブ育成選手」の人数です。そしてここが、町田の記事の核心になります。
「6名に満たない場合」の減り方 ― 規定の表
ACL Two 2026/27 Competition Regulations 第23.2.1条には、「リストAにホームグロウン選手が6名未満しかいない場合、リストAの登録可能な選手数は以下のとおり減少する」として、次の表が置かれています。
| クラブ育成選手 | 協会育成選手(クラブ育成を除く) | リストAの最大人数 |
|---|---|---|
| 6 | 0 | 25 |
| 5 | 1 | 25 |
| 4 | 2 | 25 |
| 3 | 3 | 25 |
| 3 | 0 | 22 |
| 2 | 2 | 23 |
| 2 | 0 | 21 |
| 1 | 1 | 21 |
| 1 | 0 | 20 |
| 0 | 3 | 22 |
| 0 | 2 | 21 |
| 0 | 1 | 20 |
| 0 | 0 | 19 |
この表の読み方が決定的に重要です。注目すべきは「0/3/22」の行と、6枠に置ける協会育成選手が最大3名という制限の組み合わせです。
クラブ育成選手が0人のクラブは、6つの専用枠を最大3人までしか埋められません。協会育成選手が何人いても、6枠に4人目を置けません。だから合計ホームグロウンは最大3名となり、上限は22名で止まります。「協会育成選手が多いから減らない」ということは起きない——これがこの規定の肝です。
2. 町田の「35人の壁」 ― クラブ育成選手が0人
町田の登録選手をACLのルールに当てはめると、次のようになります(予想の前提とした2026年9月9日時点)。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| リストA対象(2004年12月31日以前生まれ) | 26人 |
| リストB対象(2005年1月1日以降生まれ) | 4人 |
| クラブ育成選手(リストA対象者) | 0人 |
町田には、クラブ育成選手が1人もいません。
すると、上の表の「0/3/22」の行に当てはまります。
町田がリストAに登録できるのは、25名ではなく最大22名です。
しかもこれは「協会育成選手を3人以上入れれば22」という条件付きの数字でもあります(協会育成選手が2人なら21、1人なら20、0人なら19に下がる)。
町田の場合はJFAで育成された日本人選手が大半なので、協会育成選手3人は自然に満たせます。
実質的な上限は22名と考えていいでしょう。
これは町田が特別に失敗しているという話ではありません。
アカデミーの歴史が浅いクラブに共通する事情です。
町田のアカデミーからトップチームへは千葉奏汰、橋村龍ジョセフ、樋口堅、真也加チュイ大夢といった昇格者が出始めた段階にあります。
クラブ育成選手の条件は「15歳から21歳の間に通算36カ月」ですから、アカデミー出身者が複数リストAに並ぶようになるまでには、なお時間がかかります。
ただ、制度は制度です。町田はリストAが25名ではなく22名という条件で戦うことになります。
予想の前提から変わった点(10月18日時点)
登録対象者は移籍で動きます。主な変更は次のとおりで、10月18日時点のリストA対象は24人、リストB対象は3人になっています(Jリーグ公式の選手一覧)。
| 日付 | 選手 | 動き |
|---|---|---|
| 8月30日 | 中山 雄太(DF) | レッドスター・ベオグラードへ |
| 9月9日 | エリキ(FW) | ヴィッセル神戸へ |
| 9月14日 | 高崎 天史郎(MF) | グレミオFBPA U20へ(期限付き) |
| 9月16日 | 増山 朝陽(MF) | V・ファーレン長崎へ(期限付き) |
3. 登録対象者と予想メンバー
リストA ― 対象26人から22人を選ぶ
枠は22人、対象は26人。つまり4人が外れる。これが町田のリストAの構図です。誰が外れるかを含めて一覧にすると、次のようになります。
| No. | Pos. | 名前 | 生年月日 | 予想 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | GK | 谷 晃生 | 2000年11月22日 | ◎ |
| 2 | DF | トーマス・アウエヤン | 1996年9月30日 | ◎ |
| 3 | DF | 昌子 源 | 1992年12月11日 | ◎ |
| 4 | DF | 菊池 ダビド 流帆 | 1996年12月9日 | ◎ |
| 5 | DF | ドレシェヴィッチ | 1997年1月24日 | ◎ |
| 6 | DF | 望月 ヘンリー 海輝 | 2001年9月20日 | ◎ |
| 7 | FW | 相馬 勇紀 | 1997年2月25日 | ◎ |
| 8 | MF | 仙頭 啓矢 | 1994年12月29日 | ◎ |
| 9 | FW | 小川 航基 | 1997年8月8日 | ◎ |
| 13 | GK | 守田 達弥 | 1990年8月3日 | ◎ |
| 14 | MF | 松尾 佑介 | 1997年7月23日 | ◎ |
| 15 | FW | ミッチェル・デューク | 1991年1月18日 | ◎ |
| 16 | MF | 前 寛之 | 1995年8月1日 | ◎ |
| 18 | MF | 下田 北斗 | 1991年11月7日 | ◎ |
| 20 | FW | 西村 拓真 | 1996年10月22日 | ◎ |
| 23 | MF | 白崎 凌兵 | 1993年5月18日 | ◎ |
| 24 | DF | キム・ミンテ | 1993年11月26日 | ◎ |
| 31 | MF | ネタ・ラヴィ | 1996年8月25日 | ◎ |
| 33 | MF | 明本 考浩 | 1998年1月31日 | ◎ |
| 50 | DF | 岡村 大八 | 1997年2月15日 | ◎ |
| 88 | DF | 中村 帆高 | 1997年8月12日 | ◎ |
| 99 | FW | テテ・イェンギ | 2000年11月28日 | ◎ |
| 19 | DF | 中山 雄太 | — | — 退団(8月30日) |
| 11 | MF | 増山 朝陽 | — | — 退団(9月16日) |
| 29 | DF | 西川 楓人 | 2004年4月28日 | — 選外 |
| 66 | GK | コッホ アキ | 2004年3月18日 | — 選外 |
◎が予想メンバー22人、下段の4人が外れる選手です。当初の予想ではキム・ミンテを外していましたが、9月16日に増山朝陽が長崎へ期限付き移籍したため、その1枠をキム・ミンテに置き換えています。
西川楓人とコッホ・アキを外しているのは、ポジションの重複が理由です。GKは23.4条で「3名以上、うち2名以上をリストAに」と決まっており、谷晃生と守田達弥の2人でリストAの枠を満たし、3人目(ニコラス)はリストBに回せます。限られた22枠をGK3人で使う余裕はありません。
リストB(対象4人 → 予想3人)
| No. | Pos. | 名前 | 生年月日 |
|---|---|---|---|
| 28 | MF | チャ・ジェフン | 2006年5月3日 |
| 34 | FW | 徳村 楓大 | 2007年11月26日 |
| 89 | GK | ニコラス | 2006年8月9日 |
※9月9日時点では高崎天史郎(No.38)を含む4人でしたが、9月14日にグレミオFBPA U20へ期限付き移籍したため3人になりました。
※ポジションはクラブの登録ポジションに統一しました。試合当日のフォーメーション上の位置とは異なる場合があります(第4章参照)。
予想メンバーは、リストA 22人+リストB 3人=25人。
4. 試合メンバーから確認できること(検証)
ACLは登録選手しか試合メンバーに入れられません。実際のメンバーから登録を逆算してみましょう。
10月15日のMD2・タンピネス戦(アウェイ/ジャラン・ベサール・スタジアム)のメンバーは、次の21人でした(先発11人+控え10人)。
| Pos. | No. | 名前 | 区分 |
|---|---|---|---|
| GK | 13 | 守田 達弥 | スタメン |
| DF | 5 | ドレシェヴィッチ | スタメン |
| DF | 24 | キム ミンテ | スタメン |
| DF | 50 | 岡村 大八 | スタメン |
| DF | 88 | 中村 帆高 | スタメン |
| MF | 8 | 仙頭 啓矢 | スタメン |
| MF | 18 | 下田 北斗 | スタメン |
| FW | 20 | 西村 拓真 | スタメン |
| MF | 23 | 白崎 凌兵 | スタメン |
| FW | 34 | 徳村 楓大 | スタメン |
| FW | 15 | ミッチェル デューク | スタメン |
| GK | 1 | 谷 晃生 | 控え |
| GK | 89 | ニコラス | 控え |
| DF | 3 | 昌子 源 | 控え |
| DF | 6 | 望月 ヘンリー 海輝 | 控え |
| FW | 7 | 相馬 勇紀 | 控え |
| MF | 16 | 前 寛之 | 控え |
| MF | 31 | ネタ ラヴィ | 控え |
| MF | 33 | 明本 考浩 | 控え |
| FW | 9 | 小川 航基 | 控え |
| FW | 99 | テテ イェンギ | 控え |
試合は町田が1-0で勝利。後半49分、望月ヘンリー海輝のゴールで決勝点を挙げました。相手タンピネスには、9月に柏から期限付き移籍した古澤ナベル慈宇が先発していました。同じACLの舞台で、移籍した選手と元チームメイトが顔を合わせる形になりました。
※ポジションはクラブの登録ポジションに統一しました。町田はこの試合を3-4-2-1で戦い、スポーツナビの試合データでは西村・徳村・相馬がMFとして記載されています。試合当日の配置と登録ポジションは一致しないことがあるため、表記は登録ポジション側に揃えています。
この21人で、登録が確定した選手
- リストA 19人:守田達弥(13)、キム・ミンテ(24)、ドレシェヴィッチ(5)、岡村大八(50)、中村帆高(88)、白崎凌兵(23)、下田北斗(18)、西村拓真(20)、仙頭啓矢(8)、ミッチェル・デューク(15)、谷晃生(1)、昌子源(3)、望月ヘンリー海輝(6)、相馬勇紀(7)、小川航基(9)、前寛之(16)、ネタ・ラヴィ(31)、明本考浩(33)、テテ・イェンギ(99)
- リストB 2人:徳村楓大(34)、ニコラス(89)
19+2で、ぴったり21人になります。
なお、ACLの規定では試合メンバーは18名以上23名以内で届け出ます(第22.3条)。21人というのは規定違反でも記載漏れでもなく、町田が届け出た人数そのものです(出典:スポーツナビの試合データ)。鹿島のように23人を埋めるクラブもあれば、町田のように21人で戦うクラブもあります。この差自体が、登録できる選手数の差を映しています。
リストBの2人は「確定」と言い切れるか
徳村楓大(2007年生まれ)とニコラス(2006年生まれ)は、リストBの年齢条件(2005年1月1日以降生まれ)を満たしています。
ただし規定上、年齢条件を満たす選手をリストAに登録することもできます。つまり「2005年以降生まれ=必ずリストB」とまでは言えません。とはいえ町田はリストAの枠が22しかなく、対象者が24人いる状態です。貴重なリストAの枠を年齢条件でリストBに回せる選手に使う理由はありません。2人ともリストBに登録されていると考えるのが自然であり、本稿ではその前提で「リストB 2人」として扱っています。
重要な注意点 ― 「いない」ことは証明にならない
- 試合メンバーに入っていた → 登録されていることが確定(強い証拠)
- 試合メンバーに入っていなかった → 登録されていないとは言えない(登録枠は35人。全員が毎試合ベンチに入るわけではない)
たとえばアウエヤン(2)、菊池ダビド流帆(4)、松尾佑介(14)の3人はMD2のメンバーに入っていませんが、これは負傷やコンディションの問題かもしれず、登録されていない証拠にはなりません。「ベンチ外=未登録」は使えない——これがこの手法の限界です。
一方で、すでに退団した選手は登録できません。町田の登録メンバーからは確実に外れています(藤尾翔太、中山雄太、エリキ、高崎天史郎、増山朝陽)。
5. 「少数精鋭」は制度への適応でもある
ここまでの数字を並べると、町田の編成がよく見えてきます。
- リストAは本来25枠だが、クラブ育成選手ゼロのため上限は22人(23.2.1条)
- リストBの対象者は3人しかいない。10枠あるのに埋められない
- 結果、登録できるのは最大でも22+3=25人(9月9日時点の予想では22+4=26人)
つまり町田は、構造的に「少数精鋭」にならざるを得ません。逆に言えば、町田のスカッドはその制約を織り込んで計画的に組まれているとも言えます。
クラブ育成選手の問題はすぐに解決する話ではありません。アカデミーから選手が育ち、クラブ育成選手の条件(36カ月)を満たしてトップチームに定着するまでには時間がかかります。現状に対する対処としては、よく考えられた編成と言えるでしょう。
6. リストBの3人
リストBは2005年1月1日以降生まれの選手のみ登録できる枠で、10名まで。町田の対象者は3人です。
- チャ・ジェフン(MF/2006年5月3日生まれ)
- 徳村楓大(FW/2007年11月26日生まれ/神村学園高から加入)
- ニコラス(GK/2006年8月9日生まれ)
枠に空きはあっても、対象者がいなければ使えません。アカデミーが育ち、若手が増えれば、この枠は自然と埋まっていくはずです。町田にとって、アカデミーの成長がACLの登録枠にも直結する構図になっています。
7. まとめ ― 制度が編成を映し出す
- 選手登録のルールはACL EliteとACL Twoで共通。登録枠は35名以内(リストA 25名+リストB 10名)。
- リストAの6枠はホームグロウン専用だが、その6枠に置ける協会育成選手は最大3名(23.2.1条)。
- クラブ育成選手が0人のクラブは、この6枠を最大3人までしか埋められず、リストAの上限は22名で止まる。「協会育成選手が多いから減らない」ことは起きない。
- 町田はクラブ育成選手が0人なので、リストAは25名ではなく22名。
- リストAは対象26人・枠22人で、中山雄太・増山朝陽(いずれも退団)・西川楓人・コッホ アキの4人が外れる。当初はキム・ミンテを外していたが、増山の移籍で枠が空き、キム・ミンテが入る形に修正した。
- リストBの対象者は3人(チャ・ジェフン、徳村楓大、ニコラス)。10枠を埋められない。
- MD2(10/15・タンピネス戦)の21人から、リストA 19人・リストB 2人の登録が確定している。キム・ミンテの登録もこの試合で確定した(まさに予想が外れた1人)。
- ただし「試合メンバーにいない=未登録」ではない。登録枠は35人あり、不在は何も証明しない。退団選手だけは確実に対象外。
ACL Twoは9月に開幕しました。制約のなかでどう戦うか。登録メンバーの動向にも注目です。
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出典・参考
- AFC「AFC Champions League Two 2026/27 Competition Regulations」第22.3条・第23条(特に23.2.1のリストA上限表、23.2.2のリストB年齢条件、23.4のGK規定)
- Jリーグ公式サイト「【公式】AFCチャンピオンズリーグTwo(ACL Two) 大会概要」
- Jリーグ公式サイト「FC町田ゼルビア 2026/27 選手一覧」(生年月日・登録区分の確認)
- スポーツナビ「タンピネス・ローバーズ vs FC町田ゼルビア」(2026年10月15日・ACL Two グループG第2節)
- football-lab「FC町田ゼルビア 移籍情報」(増山朝陽・高崎天史郎・中山雄太・エリキの移籍)
- rrr3k「【ACLメンバー予想】ACLのメンバー登録のルール(リストA&リストB)」(2026年9月9日時点の予想の参照元)
※登録メンバーはクラブから正式発表されていないため、本稿の内容は予想です。予想部分は2026年9月9日時点、試合メンバーからの検証部分は2026年10月18日時点の情報に基づきます。
