2026年9月14日公開/2026年10月18日更新
12月1日(火)19:00、ACLエリート(ACLE)リーグステージ第6節で、柏レイソルはベトナムのコンアン・ハノイ(ハノイ公安FC/CAHN)をホームに迎えます。
9月に公開した初版から1か月。相手の状況は大きく変わりました。ACLEは2戦2敗で勝点0。そして9月には、クラブがFIFAから3回の移籍登録期間にわたる新規選手登録禁止の処分を受けたと報じられました。ベトナム王者の「現在地」を、柏サポーターの目線で更新します。
0. まず3行で
- 12月1日(火)19:00 KO、柏サッカースタジアム。ACLEリーグステージ第6節 vs コンアン・ハノイ(ベトナム)柏レイソル公式
- 相手は2025-26 Vリーグ1王者でACLE初出場。だがここまでG大阪に1-4、鹿島に0-1で2連敗、勝点0
- 中軸は背番号10レオ・アルトゥール(鹿島戦で亡き息子の名「Leo Jr」を背負った男)とVリーグMVPのグエン・クアンハイ。9月にはFIFAの新規登録禁止処分という逆風も
1. 対戦カードと大会フォーマットのおさらい
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年12月1日(火) 19:00キックオフ |
| 大会|節 | AFCチャンピオンズリーグElite 2026/27 リーグステージ 第6節(MD6) |
| 会場 | 柏サッカースタジアム(三協フロンテア柏スタジアム) |
| 中継 | DAZNで配信(地上波・BS放送の予定は確認できていません) |
| 進出条件 | リーグステージ東西各16クラブのうち各地区上位8クラブがラウンド16へ Jリーグ公式 |
ACLE 2026/27は本戦が24から32クラブに拡大。東西16クラブずつが8試合(ホーム4・アウェイ4)を戦うリーグステージ方式で、優勝チームにはFIFAインターコンチネンタルカップ2027とFIFAクラブワールドカップ2029の出場権が与えられます(Wikipedia)。
柏から見た12月1日は、4試合あるホーム戦の3試合目です。ホームは、10月14日のポートFC戦、11月3日の大田ハナ戦、そして12月1日のCAHN戦。残るホームは、2027年2月10日のブリーラム戦だけです。アウェイは、10月27日のラーチャブリー戦、11月24日のニューカッスル・ジェッツ戦、2月16日の浦項戦が控えています。ホームで勝点を積めるかどうかが、ラウンド16争いに大きく響きます(柏レイソル公式)。
2. ここまでのACLE戦績 ―― 「初出場の勢い」はもうない
予選(8/11)でアデレード・ユナイテッドをアウェイで2-0と下し、クラブ史上初のACLE本戦へ。しかし本戦に入ってからは厳しい現実が待っていました。
| 節 | 日程 | 相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| MD1 | 9/15(火) | ガンバ大阪(A・吹田) | ●1-4 |
| MD2 | 10/13(火) | 鹿島アントラーズ(H・ハノイ) | ●0-1 |
| MD3 | 10/27(火) | 上海海港(A) | ― |
| MD4 | 11/3(火) | 京都サンガF.C.(H) | ― |
| MD5 | 11/24(火) | ヴィッセル神戸(H) | ― |
| MD6 | 12/1(火) | 柏レイソル(A・柏サッカースタジアム) | ― |
| MD7 | 2027/2/9(火) | 北京国安(H) | ― |
| MD8 | 2027/2/16(火) | ジョホール・ダルル・タクジム(A) | ― |
MD1 ガンバ大阪 4-1 コンアン・ハノイ(9/15・吹田)
宇佐美貴史の2ゴールなどでG大阪が4-1で勝利。CAHNは78分に1点を返しましたが、後半アディショナルタイムに4点目を奪われました(サッカーキング)。ベトナム王者のACLE初戦は、ほろ苦い結果になりました。
MD2 コンアン・ハノイ 0-1 鹿島アントラーズ(10/13・ハノイ)
ホーム初戦。前半はCAHNが押し込む展開で、鹿島は45分間で9本のシュートを浴びました(フットボールチャンネル)。しかし後半、途中出場の柴崎岳のクロスが相手DFに当たってオウンゴール。61分の1点を守り切られ、0-1で敗れています(ゲキサカ)。
柏サポーターにとっての意味は大きいです。 鹿島は「前半に押し込まれながら勝ち切った」わけで、CAHNは数字上は2連敗でも、内容で上回る時間帯がありました。ホームのハノイでは、勢いよく来ます。
3. 背番号10 レオ・アルトゥール ―― 鹿島戦で「Leo Jr」を背負った男
この1か月で、この選手の存在感は一段上がりました。理由は試合内容だけではありません。
3-1. 10月13日、ユニフォームの名前が違った
鹿島戦のCAHNの10番は、登録名の「Leo Artur」ではなく、「Leo Jr」と記されたユニフォームで戦いました。
試合から3日後の10月16日、本人がSNSで理由を明かしました(bongda24h/VOV)。ベトナム語の報道を、日本語に要約します。
亡くなった息子の名前をユニフォームに入れることで、息子を偲ぶことができた。試合のあった日は息子の誕生日でもあったので、息子を思い出すためにささやかなことをした。温かい支援への感謝と、もう一度幸せを与えてくれたベトナムへの感謝を伝えたい。
ベトナム各紙は、レオ・アルトゥールが2016年に、当時2歳の息子を亡くしたと報じています。試合当日(10月13日)が、その息子の誕生日でした。
3-2. 選手としての実力 ―― 「初出場のワイルドカード」ではない
感動的な背景に引っ張られがちですが、柏にとって大事なのはここです。彼は大陸大会が初めてではありません。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 生年月日 | 1995年3月23日(31歳)/ブラジル・オザスコ出身 |
| ポジション | 攻撃的MF/ウイング |
| ユース | コリンチャンス(2011〜2013年) |
| ベトナム加入 | 2023年10月、ビンディンFCへ。2023-24シーズンは8得点 |
| CAHN加入 | 2024年8月13日 |
| Vリーグ(CAHN) | 2024-25:10得点/2025-26:10得点=2季連続の二桁得点 |
| ASEANクラブ選手権2024-25 | 得点王+オールスターXI、チームは準優勝 |
| ACL2 2025-26 | 7試合出場 |
出典:Wikipedia
つまり大陸カップは今季が3シーズン目。「ACLE初出場クラブの無名助っ人」ではなく、東南アジアの大陸大会で得点王を取った男が、ACLEに上がってきている構図です。
3-3. 柏が警戒すべきは「決定機を作れる左足」
鹿島戦でも、83分にボックス外から際どいシュートを放ち、GK早川友基のセーブに阻まれました(フットボールチャンネル)。今季のVリーグ開幕戦(9/5・ホンリン・ハティン戦)でも、前半5分に先制点を決めています。
エリア外からの思い切りのいいシュートが持ち味です。「入り」で先に決められると、ホームの空気が一気に相手に傾くタイプの選手です。柏の守備陣は、立ち上がりの10分の集中力が特に問われます。
4. それでも「止めるべき男」はグエン・クアンハイ
柏サポーターが名前を覚えるべき筆頭は、むしろこちらかもしれません。
| 選手 | No. | ポジション | メモ |
|---|---|---|---|
| グエン・クアンハイ | 19 | MF | キャプテン。Vリーグ2025-26 MVP。ベトナム代表の司令塔 |
| レオ・アルトゥール | 10 | MF(ACLE公式ではFW) | 2季連続二桁得点。ASEANクラブ選手権得点王 |
| ブライアン・ペレア | 90 | FW | コロンビア出身 |
| ステファン・モーク | 6 | MF | オーストラリア人 |
| アラン・グラフィテ | 72 | FW | ブラジル人FW |
| ダヴィド・ヘネン | 8 | FW | トーゴ国籍 |
| フランス・プトロス | 55 | DF | イラク代表 |
| ダミア・サバテル | 14 | MF | スペイン人MF |
| グエン・ディン・バク | 9 | FW | ベトナム代表FW。Vリーグ最優秀若手選手 |
| グエン・フィリップ | 1 | GK | ベトナム代表GK |
| ドアン・ヴァン・ハウ | 5 | DF | ベトナム代表の左サイドバック |
| ブイ・ホアン・ヴィエット・アイン | 68 | DF | 副キャプテン |
出典:2026-27 CAHNシーズン記録(2026年8月29日時点のスカッド)
クアンハイはクアンハイで止める必要があります。 彼に中盤で前を向かせると、レオ・アルトゥールとペレアに気持ちよくボールが入ります。昨季のVリーグMVPを自由にさせないことが、12月1日の最大のタスクです。
5. 指揮官アレクサンドレ・ポルキングと戦い方
- ブラジル出身の指導者(1976年生まれ)。元タイ代表監督で、2020年と2022年のAFF選手権(東南アジアの代表大会)を制している
- 2024年にCAHNの監督に就任。就任後の2024-25にASEANクラブ選手権で準優勝
- 2025-26はVリーグ1を勝点64・3試合を残して独走優勝(ナンダン紙)
クラブの性格もはっきりしています。公安省(警察)傘下のクラブで、2023年にトップリーグへ昇格した初年度にいきなりVリーグ優勝。2025-26にも制し、短期間で2度の国内制覇を果たした「資本と組織を持った新興勢力」です(Tuoi Tre)。
柏にとっての注意点は、彼らが「守って引き分けでもいい」チームではないことです。鹿島戦の前半のように、自分たちが押し込んで勝つ設計のチームです。柏が受け身に回る時間は想定より長くなる可能性があります。
6. 逆風 ―― FIFAの新規選手登録禁止処分
9月16日、ベトナムのTuoi Tre紙などが報じたのがこれです(Tuoi Tre)。
- FIFAはCAHNに対し、3回連続の移籍登録期間にわたる「新規選手登録禁止」処分を下した
- 発動は9月15日付。ベトナム紙は、2026-27シーズン終了後の次のシーズンまで続くと伝えている
- 原因は、ブラジル人選手アンドレイ(Andrey)との契約をめぐる紛争と報じられている。ブラジルの報道(ESPN引用)では、選手が契約をめぐってFIFAに申し立て、勝訴した結果の処分とされる。ただし、経緯の詳細は報道によって異なる
これをどう読むか。 柏サポーターの立場では、新しい選手が加わらない=現有戦力で戦い続けるという点が重要です。もし主力に怪我人が出ても、新規の選手登録で埋めることはできません。
一方で、12月1日の柏戦に、補強禁止が直接の影響を与えるわけではありません。 現有戦力の質はVリーグ王者そのもの。むしろ「今いるメンバーで何とかする」チームの集中力は上がりがちです。楽観材料にはしません。
※処分の内容はベトナム・ブラジル各紙の報道に基づく情報です。クラブからの正式な発表の有無は、試合前に再確認してください。
7. 柏サポーターが押さえるべき5つのポイント
① 立ち上がりが勝負。 開幕戦で前半5分に得点したレオ・アルトゥールがいます。先制されると、ホームの空気が相手に流れるタイプのチームです。
② クアンハイを自由にしない。 VリーグMVPの司令塔。ここを潰せば、前線の質は一段落ちます。
③ 前半の押し込みに耐える。 鹿島戦、前半だけで鹿島は被シュート9本。相手は前半に勝負をかけてきます。
④ セットプレーとオウンゴールの形に注意。 鹿島戦の決勝点は、柴崎のクロスがDFに当たってのオウンゴールでした。崩されたわけではなく、クロス1本で決まるのがACLEの怖さです。
⑤ 12月の日程を計算に入れる。 CAHNはVリーグ・国内カップ・ACLEなどを並行して戦っています。Jリーグ勢がシーズンオフに入る時期に、相手はむしろ試合勘が研ぎ澄まされていると考えるのが自然です。
8. 12月1日までのスケジュール
| 日付 | CAHN | 柏レイソル |
|---|---|---|
| 10/27(火) | ACLE MD3 上海海港(A) | ACLE MD3 ラーチャブリー(A・タイ) |
| 11/3(火) | ACLE MD4 京都サンガ(H) | ACLE MD4 大田ハナ(H) |
| 11/24(火) | ACLE MD5 ヴィッセル神戸(H) | ACLE MD5 ニューカッスル・ジェッツ(A・オーストラリア) |
| 12/1(火) | ACLE MD6 柏レイソル(A) | ACLE MD6 コンアン・ハノイ(H) |
CAHNは11月24日にホームで神戸と対戦します。 つまり柏戦の1週間前、Jリーグ勢とハノイで戦った直後の状態で柏に乗り込んでくる。神戸戦の内容は、柏戦の最高のスカウティング材料になります。
よくある質問
Q. テレビで放送はありますか?
DAZNで配信されます(柏レイソル公式の日程表にも「配信:DAZN」と記載)。地上波・BSの放送予定は、確認できていません(柏レイソル公式)。
Q. チケットはいつから?
12月1日分の販売詳細は、決まりしだい柏レイソル公式で発表されます(柏レイソル公式)。
Q. レオ・アルトゥールはどんな選手?
CAHNで2季連続10得点。2024-25のASEANクラブ選手権では得点王になりました。2026年10月13日の鹿島戦では、2016年に亡くした息子の名「Leo Jr」を背負って出場しています。
Q. なぜCAHNは補強禁止なのですか?
ブラジル人選手アンドレイとの契約をめぐる紛争が原因で、FIFAから3回連続の移籍登録期間にわたる新規選手登録禁止処分を受けたと報じられています(発動9月15日付)。
Q. 柏とコンアン・ハノイの過去の対戦記録は?
公式戦での対戦はありません。今回が初対戦です。 柏レイソルにとっても、CAHNがACLEに参戦するのも今季が初めてです。
まとめ
- 12月1日(火)19:00、柏サッカースタジアム。ACLEリーグステージ第6節で柏はコンアン・ハノイ(ハノイ公安FC)と対戦
- 相手は2025-26 Vリーグ1王者で、ACLEにはクラブ初出場。予選でアデレードを2-0と下して本戦入り
- ただし本戦はG大阪に1-4、鹿島に0-1で2連敗(勝点0)。鹿島戦は前半に押し込み続けた
- 軸は背番号10レオ・アルトゥール(2季連続二桁得点/ASEANクラブ選手権得点王)とVリーグMVPグエン・クアンハイ
- 指揮官は元タイ代表監督のアレクサンドレ・ポルキング。公安省傘下の新興クラブで、2023年昇格初年度と2025-26の2度Vリーグを制覇
- 9月にはFIFAから3回の移籍登録期間の新規登録禁止処分。現有戦力で戦うことになる
- 11月24日にCAHNは神戸とハノイで対戦。その内容が柏戦の最良のスカウト材料になる
「名前は知らないが、強い」相手です。レオ・アルトゥールの背番号10を、12月1日の柏スタジアムで自分の目で確かめてください。
